「彼はなぜトラックに激突しなくてはならなかったのか。なぜパトカーから逃げなくてはならなかったのか。死に至るまでの理由がわからない。わからないから知りたいのです」
『あの日、君は何をした』より
どうも、ゴマ(@gomago_gomago)です。
今回はまさきとしかさんの<三ツ矢&田所>シリーズを紹介します。
2020年に第1作『あの日、君は何をした』で話題になったこちらのシリーズ、とても面白いのでまだ読んだことがない人には手に取ってほしいシリーズです。
<三ツ矢&田所>シリーズ あらすじ
<三ツ矢&田所>シリーズは現在までに『あの日、君は何をした』と『彼女が最後に見たものは』の2作品が刊行されています。
それぞれのあらすじは以下の通りです。
まずは『あの日、君は何をした』から。
北関東の前林市で平凡な主婦として幸せに暮らしていた水野いづみの生活は、息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことによって、一変する。深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていた大樹は、何をしようとしていたのか――。
小学館より
15年後、新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明に。無関心に見える妻の野々子に苛立ちながら、母親の智恵は、必死で辰彦を探し出そうとする。
刑事の三ッ矢と田所が捜査を進めるうちに、無関係に見える二つの事件をつなぐ鍵が明らかになる。
『完璧な母親』で最注目の著者が放つ、慟哭のミステリー。
続いて『彼女が最後に見たものは』。
クリスマスイブの夜、新宿区の空きビルの一階で女性の遺体が発見された。五十代と思われる女性の着衣は乱れ、身元は不明。警視庁捜査一課の三ツ矢秀平と戸塚警察署の田所岳斗は再びコンビを組み、捜査に当たる。
そして、女性の指紋が、千葉県で男性が刺殺された未解決事件の現場で採取された指紋と一致。名前は松波郁子、ホームレスだったことが判明する。
予想外の接点で繋がる二つの不可解な事件の真相とは――!?彼女はなぜ殺されなければならなかったのか。
彼女はなぜホームレスになったのか。
誰も知らない真実が明らかになる瞬間、世界が一転する。理不尽な死と家族の崩壊を圧倒的な筆致で描く、
小学館より
大ヒットミステリ『あの日、君は何をした』続編!!!
<三ツ矢&田所>シリーズはここが面白い!
<三ツ矢&田所>シリーズの面白いところは何といっても刑事・三ツ矢の奇人っぷりでしょう。
警察の中でも「変わり者」と名高い三ツ矢ですが、その風変わりな刑事の言動に田所は翻弄されてしまいます。
例えば『あの日、君は何をした』ではこんなセリフがあります。
「普通の夫婦仲というのはどういうものでしょうね」
こうしたいわゆる「普通」や「当たり前」と言われるような事柄が三ツ矢にとっては疑問となり、わからないからこそ知ろうとします。
一般人代表のように描かれる田所からしたら、「何故そんなことを聞くのか」という事柄ばかり。
しかしながら、こうした一見何の関連性もなさそうな三ツ矢の疑問から事件の手がかりが少しずつ現れてくるのです。
もう1つこのシリーズの面白さは2つの事件の関連性でしょう。
どちらの作品も2つの事件のつながりが解決のポイントとなっています。
1作目の『あの日、君は何をした』は15年前と現在で2つの事件が鍵となります。
15年前の事件が起きたのは北関東、現在の事件が起きたのは都内なので、2つの事件は全く関係なさそうに見えるのですが、三ツ矢が小さなつながりを見つけたところから徐々につながっていきます。
私は2つの事件がどのようにつながってくるのか全く見えてこなかったのですが、結末は衝撃的でした。
まさかそんなところでつながってくるのか…という感じでした!
2作目の『彼女が最後に見たものは』はもう少しわかりやすく、都内で起きた事件の被害者の指紋が千葉県で起きた事件で採取された指紋と一致します。
おそらくこの2つの事件は何かしらの関係性があるのでしょうが、2人の被害者には関連性が見つかりません。
こちらも小さなつながりから徐々につながってくるのですが、結末は全く予想していないものでした。
どちらの作品も三ツ矢の「そんなところが気になるのか」というところから2つの事件がつながってきます。
その展開は正に圧巻。最後の最後まで面白い作品でした。
終わりに
ということで、本日はまさきとしかさんの<三ツ矢&田所>シリーズを紹介しました。
三ツ矢の活躍も面白いですが、まさきさんの作品は母親の過剰ともいえる愛情の描き方がとてもたまらないです。
2作品どちらもおススメなので、読んだことがない人はぜひ手に取ってみてほしいです。
本日はここまで。
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