名著『影響力の武器』から学ぶ影響力の本質

ゴマの読書記録

その道のプロたちが相手にイエスと言わせるために使う戦術は数限りなくあっても、その大部分は六つの基本的なカテゴリーに分類できるということです。それぞれのカテゴリーを支配するのは、人間の行動をつかさどる基本的な心理学の原理であり、この原理が、用いられる戦術の力となっています。

どうも、ゴマ(@gomago50gomago)です。
今回はロバート・B・チャルディーニ氏の『影響力の武器』を紹介します。

本書は承諾における心理学的な原理が論じられています。

 

営業マンとして相手のイエスを引き出したい

そう思っている人は必ず読むべき1冊です。
悪用は厳禁ですが、本書に書かれている内容をマスターすれば、相手からのイエスを引き出すのが容易になります。

また上記とは反対に

 

口車に乗せられて、ついつい要らないものを買ってしまった……

という人にも読んでほしい1冊です。
本書に書かれている心理学的な効果を知っていれば、相手の口車に乗せられそうになった時の防御策になります。

相手のイエスを引き出したい人にも、相手からのイエスを強引に引き出されたくない人にも読んでほしい1冊です。

今回はその『影響力の武器』の内容を自分の解釈を交えながらまとめています。
それでは早速見ていきましょう!

基本的な6つの原理

本書で紹介されている6つの基本原理は以下の通りです。

  • 返報性
  • 一貫性
  • 社会的証明
  • 好意
  • 権威
  • 希少性

知っている・聞いたことがあるワードも多いのではないでしょうか。
それぞれ詳しく見ていきます。

①返報性

返報性の原理を一言で説明すると……

  • 人から何かを与えられたら、お返しをしたくなる

例えば、旅行のお土産を貰っていたら、自分が旅行に行ったときに「その人のお土産を買わなければ」と思ってしまいますよね?
誕生日プレゼントを渡したことない人からプレゼントを貰ったら、ちょっと申し訳ない気持ちになりますよね?

「何かを与えられたら、お返しをしたくなる」、これが返報性の原理です。

 

でも、営業するときにプレゼントを渡すことはないゴマよ?

果たして本当にそうでしょうか。

  • 無料の化粧品サンプル
  • スーパーの試食コーナー

これらも言ってしまえばプレゼントです。

さらにいうと、「譲歩」もある種のプレゼントになります。
すなわち、譲歩してくれた相手には譲歩をし返そうとするということです。

返報性の原理の強いところは、簡単に不公平な交換を引き起こすこと。
最初の小さな親切だけで、相手に大きなお返しをしなければいけないという義務感を生じさせます。

 

だったら人からのプレゼントは受け入れなきゃいいゴマね!

 

ちょっと待った!

それだと善意によるプレゼントまで断ってしまうことになります。

悪意ある相手から身を守るためには、相手からのプレゼントは受け取りつつも「あ、これは何か思惑があるな」と定義することでお返しをしなければいけないという気持ちがなくなります。

②一貫性

一貫性の原理を一言で説明すると……

  • 自分の言葉、行動を一貫したものにしようとする

人は誰しも、他人からはよく見られたいものです。
そして、コロコロと意見が変わる人よりも一貫した意見を持っている人の方が優れていると考えます。
その結果、自分の言葉と行動を一貫したものにしようとする圧力がかかってしまうのです。

例えば、賃貸の契約。
間取りと家賃を見て「この家に決めます!」と宣言し、渡された見積書を見てこう思ったことはないでしょうか。

 

思ってたより高いゴマね……

敷金・礼金・仲介手数料・害虫駆除費用・etc……
何かよくわからないものがいろいろ上乗せされて予想以上の金額になっていないでしょうか。

 

でも、もう「ここにする」って言っちゃったゴマ。

今更辞めるとは言えないゴマ……。

最初に「買う」と言ってしまった以上、一貫性を保つために心理的に買う理由付けをしてしまうのです。
ちなみにここでは詳しく話しませんが、賃貸契約の諸々は結構値切れたりします。

もし相手に一貫性の圧力を利用されそうになった場合は、「今の条件と同じ条件だったとしても買うと言っていたか」を考えてみましょう。

③社会的証明

社会的証明の原理を一言で説明すると……

  • 他の人もやっていることを正しいことだと思い込む

「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」
そんなジョークを聞いたことはないでしょうか。

実はこれ、あながちジョークでもないんです。
なぜなら人は「みんながやっていることだから正しい」とみなしてしまうから。
特に確信が持てない場合は、他人の行動を参考にして自分の行動を決めてしまう傾向があります。

こうした社会的証明の原理に影響されないためにも、他人の行動だけを決定の基礎にしないことが重要です。

④好意

好意の原理を一言で説明すると……

  • 好きな人の言うことは聞いてしまう

知らない人のお願いより、仲のいい友人からのお願いの方が聞いてしまいますよね?
人は好意を感じている相手に対してイエスと言ってしまう傾向にあります。

 

でも、営業の人は普通は初対面ゴマ。

好意の原理の強いところは、初対面の相手でもその効果を発揮することです。
あなたは買い物をしていてこのように感じたことはないでしょうか。

 

この店員さん、ちょっと横柄な感じがするしなんか嫌だな……。

 

この店員さん、優しく対応してくれたし信頼できそうだな……。

これらも好意の原理が働いています。
すなわち、何を買うかではなく誰から買うかが行動の決め手になっているのです。

こうした好意の原理の術中にハマらないようにするためには、「好意を抱いている相手」と「その相手が売ろうとしているもの」を分けて考えることが大切です。

⑤権威

権威の原理を一言で説明すると……

  • 権威や肩書を持っている人の言うことは正しく聞こえる
  • 東京大学のA教授によると……
  • ハーバード大学で行われた研究によると……

こうした枕詞があるだけで、説得力がグッと増します。
もう少しスケールを小さくすると、家電製品を買おうと量販店に行ったときの店員の話も「店員さんがそういうなら」と納得してしまいがちです。

権威者の影響力から身を守るためには、その権威者がどれほど誠実なのかを考えてみることが大切です。

⑥希少性

希少性の原理を一言で説明すると……

  • 希少性の高いものは価値の高いものだとみなしてしまう

「期間限定」「数量限定」と聞くと、ついつい買いたくなってしまいませんか?
人は手に入りにくいものに対して、それがより貴重なものだと思ってしまう性質があります。
何かを失うことに対してストレスを感じてしまうのです。

こうした希少性の罠に陥らないためにも、「限定」という言葉が無くても欲しいかを吟味することが大切です。

『影響力の武器』の読み方

ここまで『影響力の武器』で紹介される6つの原理を紹介してきました。
実際に『影響力の武器』を手に取って読んでみたいと思った方もいるでしょう。

ただし、普段から読書をしていない人は要注意!
なぜなら本書は全部で527ページの超大作
読書習慣がない人だとそれだけで辟易してしまうかもしれません……。

ということで、ここからは私がおススメする本書の読み方を紹介します。
ズバリ、私がおススメする本書の読み方はこうです。

  1. まとめのページから読む
  2. まとめのページの気になった箇所の詳細を読む

①まとめのページから読む

『影響力の武器』は各章にまとめのページが用意されています。
まずはここだけ読みましょう。
ここだけ読めば、『影響力の武器』に書かれている内容の大枠を掴むことが出来ます。

いきなり全部読もうとすると、実験や論文の話がたくさん出てくるので普段読書をしない人にとっては敬遠したくなってしまうと思います。

②まとめのページの気になった箇所の詳細を読む

まとめのページを読んだだけでは、「これってどういうことだろう?」と疑問に思うことが出てくるはずです。
その疑問を解消するために、本文を読みましょう。
特に疑問に思うことが無ければ、本文に戻る必要はありません。

 

全部読まなくていいゴマか?

 

知識を付けるための読書なので、自分が納得できたところは飛ばしちゃってOKです。

時間の節約にもなりますよ。

ちなみに、本を読むこと自体に抵抗がある人は漫画版を読むのをおススメします。
ストーリーを入れつつ、本書の内容が分かりやすくまとめられています。

まとめ

ということで、本日はロバート・D・チャルディーニ氏の『影響力の武器』を紹介しました。

本書で説明されている基本原理は以下の6つです。

  • 返報性
  • 一貫性
  • 社会的証明
  • 好意
  • 権威
  • 希少性

これらを理解し、自分で上手く使ったり相手に上手く使われないようにしたりしましょう。

本日はここまで。
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