どうも、ゴマ(@gomago_gomago)です。
もうすぐ2021年も終わり。というわけで、今回は2021年に読んだ本の中から私が「これは良かった!」と思った本を厳選して10冊選んでみました。
あくまで私の独断と偏見ですが、皆様の次に読む本を選ぶ際の参考になれば幸いです。
※2021年と銘打っていますが、ブログを始めた2021年6月以降に読んだ本から厳選しています。
第10位 『N』道尾秀介
第10位に選んだのは道尾秀介さんの『N』。
「読む順番で、世界が変わる。」と銘打たれた作品です。
全6作の短編が収められていますが、どの作品も1つの町を舞台に繰り広げられており、1つ1つの短編につながりがあります。
どの作品から読むかによって受け取り方が変わるという新しい切り口の作品になっています。
「720通りの物語がある」というのはちょっと大袈裟な気もしますが、理論上は720通りの物語が出来上がります。
私は電子書籍で購入したので読んだ当時は知らなかったのですが、この作品は装丁にもギミックが施されています。
短編によっては本をさかさまにして読まなければいけないなど、遊び心も満載な1冊になっています。
『N』については書評記事も書いていますので、良ければそちらもどうぞ。
第9位 『奇面館の殺人』綾辻行人
第9位に選んだのは綾辻行人さんの『奇面館の殺人』。
『十角館の殺人』をはじめとする「館」シリーズの9作目です。
『暗黒館の殺人』を読み終えた時点で止まっていたのですが、今年に入って残りの作品も読み終えました。
『奇面館の殺人』は「館」シリーズの中でも1番ベタなミステリと言えるでしょう。
吹雪の山荘、集められた十人十色の面々、謎多き館の当主、そしてその中で起こる惨劇。
その中で異彩を放つのはタイトルにもなっている奇妙な仮面。集められた客人全員に仮面がつけられ、その仮面は外せないように鍵がかけられてしまいます。
「犯人のなぜわざわざ全員に仮面をつけたのか?」、注目すべきポイントの1つです。
第8位 『殺した夫が帰ってきました』桜井美奈
第8位に選んだのは桜井美奈さんの『殺した夫が帰ってきました』。
タイトルに釣られて買った作品ではありましたが、予想以上の面白さでした。
『殺した夫が帰ってきました』は主人公の鈴倉茉菜の前に、かつて茉菜が崖から突き落として殺したはずの夫である和希が現れるところから始まります。
和希は記憶の一部をなくしており、記憶をなくした状態で茉菜との同居生活が始まります。
かつての和希は暴力的な男でしたが、そんな様子は見る影もなく、平穏な日々が過ぎていくのですが………。
タイトルからどちらかと言えばホラーのような内容なのかと考えていましたが、ホラー要素は全くなく純粋なミステリとして楽しめました。
予想以上と先述しましたが、正直予想の斜め上を行く展開だったので驚きです。
物語が進むにつれて徐々に真相がわかってくるのですが、読み手にはハッキリと示されないのですごい焦らされている感じがあります。
最後は一気読みしてしまいました。
第7位 『あの日、君は何をした』まさきとしか
第7位に選んだのはまさきとしかさんの『あの日、君は何をした』。
まさきとしかさんは『あの日、君は何をした』で初めて作品を読みましたが、とても面白かったです。
『あの日、君は何をした』は平凡な主婦として幸せな生活を送っていた水野いづみの息子である大樹が連続殺人犯の容疑者に間違えられ事故死してしまうところから始まります。
そして、その15年後別の場所で殺人事件が起こります。
一見すると全く関係のなさそうな2つの事件なのですが、刑事の三ツ矢と田所が捜査にあたるうちにのつながりが少しずつ見えてきます。
2つの事件が一体どうつながるのか、この作品の1番の見所です。
まさきとしかさんの作品は『完璧な母親』も読みましたが、こちらも面白かったです。
第6位 『殺戮にいたる病』我孫子武丸
第6位に選んだのは我孫子武丸さんの『殺戮にいたる病』。
どんでん返しがすごいミステリを調べると、たいてい名前があげられている1冊です。
『殺戮にいたる病』は3人の視点で進んでいきます。
1人目は猟奇的な殺人犯、蒲生稔。
2人目は息子を殺人犯と疑う、蒲生雅子。
3人目は警察を引退した元警部、樋口武雄。
冒頭で蒲生稔が逮捕されるシーンから始まり、そこに至るまでの経過が描かれていきます。
そして最後には衝撃の事実が明かされます。
私も読んでいるうちにところどころ違和感を感じ始めてはいたのですが、結局最後までその正体に気づくことはできませんでした。
読むうえでの注意点としては、エログロ描写が多めであることでしょうか。
耐性が無い人には辛いですが、エログロがあっても問題ないよという人には読んでほしい1冊です。
第5位 『ホワイトラビット』伊坂幸太郎
第5位に選んだのは伊坂幸太郎さんの『ホワイトラビット』。
「伊坂作品初心者から上級者まで没頭度MAX!」と紹介されていましたが、その言葉に違わず面白かったです。
『ホワイトラビット』は「白兎事件」と呼ばれる立てこもり事件が犯人・人質・警察と様々な視点から描かれています。
立てこもり事件が起きてはいるのですが、伊坂幸太郎さんの作品らしい心地よいテンポで話が進んでいくので、どこかポップな印象を受けてしまいます。
どういう結末を迎えるのかとワクワクしながら読んでいたのですが、予想もしなかった方向から結末が飛んできて思わず「えぇっ?」となってしまいました。
個人的には伊坂幸太郎さんの作品の中でもTOP3に入る面白さだと思います。
個別の書評記事もあげているので、良ければそちらもどうぞ。
第4位 『沈黙のパレード』東野圭吾
第4位に選んだのは東野圭吾さんの『沈黙のパレード』。
物理学者・湯川学を主人公とする「ガリレオ」シリーズの第9作です。
東野圭吾さんは私の好きな作家の1人ですが、その中でも「ガリレオ」シリーズは1番好きなシリーズです。
『沈黙のパレード』の被害者は23年前に逮捕されたものの無罪となった男。
その男が3年前に失踪した女性の遺体が見つかった事件に関与しているとして逮捕されるのですが、今回もまた証拠不十分で釈放されてしまいます。
そして、町のパレードの当日、その男が死体となって発見されます。
徐々に徐々に湯川が真相に迫っていくのですが、ラストの展開が衝撃的でした。
犯人が捕まってお終いかと思いきや、そこから事実は二転三転していきます。
ラストが衝撃的過ぎて、一気読みしてしまった作品です。
個別の書評記事も書いているので、良ければそちらもどうぞ。
第3位 『和菓子のアン』坂木司
第3位に選んだのは坂木司さんの『和菓子のアン』。
ミステリが並ぶ中で異質な存在にも見えますが、こちらは日常の謎を扱うお仕事ミステリです。
和菓子をテーマに不思議な注文をするお客さんが登場します。「何故そんなことを言うのか?」、その意図を汲み取って意図に沿うように和菓子を提供していきます。
絵や写真が無いにも拘わらず、和菓子の描写がとてもイメージしやすいです。
和菓子に込められた意味など和菓子の知識も増えていき、読み終わるころには和菓子が食べたくなってきます。
登場人物も魅力あるキャラクターが多くて面白いです。
こちらも個別の書評記事を書いているので、良ければどうぞ。
第2位 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼
第2位に選んだのは相沢沙呼さんの『medium 霊媒探偵城塚翡翠』。
「このミステリーがすごい!」で1位をとるなど、ミステリランキングで5冠を達成した傑作です。
『medium』の1番の特徴としては、タイトルにある通り主人公の城塚翡翠が霊媒探偵であるということ。
霊媒探偵、すなわち霊能力を駆使して推理を行います。
これだけ聞くと「それなら簡単に犯人が分かってしまうのではないか」と思われるかもしれませんが、話はそんなに単純ではありません。
霊能力を使える条件も限られていますし、霊能力を基にした証言では証拠として不十分です。
霊能力で得た証言を基に推理を組み立てていくのですが………。
「すべてが、伏線。」という大きなキャッチコピーがつけられていますが、本当にその通りの作品でした。
途中までは霊能力を使って事件を解決するということ以外は普通のミステリなのかなと思わされてしまいますが、最後の怒涛の伏線回収は圧巻です。
個別の書評記事も書いているので、良ければそちらもどうぞ。
第1位 『硝子の塔の殺人』知念実希人
栄えある第1位に選んだのは知念実希人さんの『硝子の塔の殺人』。
知念実希人さんの作家デビュー10周年記念作品ですが、この作品はすごいです。
『硝子の塔の殺人』の特徴は何よりもその舞台設定でしょう。
ミステリ好き垂涎の設定がこれでもかと詰まっています。
奇妙な建造物、クローズド・サークル、集められた多種多様な登場人物、異色の名探偵。
これはもう期待せざるを得ないですね。
そして何よりもこの作品の魅力は驚愕のどんでん返しでしょう。
「あれ?これで事件は終わり?」と思ったところから一気にひっくり返されました。
帯コメントからかなり期待値が高かった作品ではあったのですが、期待以上の面白さでした。
こちらも個別の書評記事を書いているので、良ければどうぞ。
終わりに
ということで、今回は2021年に読んだ本の中から「これは良かった!」と思った本を10冊紹介しました。
初めてこういったランキング形式で書いてみたのですが、10冊に絞るのは本当に大変でした…。
『悪いものが、来ませんように』や『invert』など他にもランキングに入れたい作品がたくさんあり、なかなか絞り切れませんでした。
それだけ面白い作品が多いということでしょう。
一方で1位と2位は本当にすぐ決まりました。
それだけこの2作品から受けた衝撃はすごかったです。
2021年ももうすぐ終わりになりますが、来年はさらにたくさんの本を読んでたくさんの本を紹介したいなと思います。
このブログももっとコンテンツを充実させたいと考えています。
2022年も何卒よろしくお願いいたします。
本日はここまで。
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