読む人によって色が変わる物語をつくりたいと思いました。
読者の皆様に、自分だけの物語を体験していただければ幸いです。
どうも、ゴマ(@gomago_gomago)です。
今回は道尾秀介さんの『N』を紹介します。
2021年10月5日に発売された道尾秀介さんの新刊ですが、そのキャッチコピーは「読む順番で、世界が変わる。」
「またとんでもない作品が出たか?!」と期待しつつ、早速読み終えました。
『N』あらすじ
すべての始まりは何だったのか。
「魔法の鼻を持つ犬」とともに教え子の秘密を探る理科教師。
「死んでくれない?」鳥がしゃべった言葉の謎を解く高校生。
定年を迎えた英語教師だけが知る、少女を殺害した真犯人。
殺した恋人の遺体を消し去ってくれた、正体不明の侵入者。
ターミナルケアを通じて、生まれて初めて奇跡を見た看護師。
殺人事件の真実を掴むべく、ペット探偵を尾行する女性刑事。結末はいったいどこにあるのか。
集英社 文芸ステーションより
『N』感想
ちょっと期待しすぎたなあ…、というのが素直な感想です。
感動的な終わり方だったり、嫌な気分になる終わり方だったり、それぞれの話にそれぞれの終わり方があり、どの話もとても面白かったです。
ただキャッチコピーと作者が道尾秀介さんということもあって、もっととんでもないことをやってくれるんじゃないかというハードルが自分の中で勝手に上がってしまっていたため、やや不満足な読後感となってしまいました。
そもそも本書の構成を説明すると、『N』は以下の6つの短編が収められています。
- 名のない毒液と花
- 落ちない魔球と鳥
- 笑わない少女の死
- 飛べない雄蜂の嘘
- 消えない硝子の星
- 眠らない刑事と犬
6つの作品は全く別の話ではなく、1つ1つに大なり小なりつながりがあります。
そのため、どこから読むかによって受け取り方が変わるというわけです。
6個のモノを順番に並べる方法は720通りあるため、720通りの物語があるというわけですね。
最初にそれぞれの物語の冒頭部分が書かれているので、気になるところから読んでも良し、ランダムに選んで読んでも良しという作品です。
私の場合は、「犬→鳥→少女→花→雄蜂→星」の順で読みました。冒頭部分から気になった順で読んでいます。
どの作品に対してどう感じたかを書いてしまうと変な先入観を持って選んでしまうことになるのでここでは書きませんが、私としてはこの順番で読んだのは良かったんじゃないかなと思っています。
ただ「読む順番でそんなに受け取り方が変わるのか…?」という疑問は残りました。
各作品につながりがあり結末もそれぞれ違うので読後感は異なるのですが、720通りの物語があるというのは大風呂敷すぎやしないか、と。
まあ、それぐらい大きくいった方がキャッチーだというのはあると思いますが…。
期待値が高かったために低めの評価をしていますが、それぞれの話は面白かったです。
本日はここまで。
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