【書評・感想】『傲慢と善良』婚活事情をリアルに描いた珠玉の恋愛ミステリ!

ゴマの読書記録

「現代の日本は、目に見える身分差別はもうないですけれど、一人一人が自分の価値観に重きを置きすぎていて、皆さん傲慢です。その一方で、善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて、”自分がない”ということになってしまう。傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう、不思議な時代なのだと思います」

どうも、ゴマ(@gomago50gomago)です。

今回は辻村深月さんの『傲慢と善良』を紹介します。

この作品、結婚や婚活を考えている人や経験している人にはとても刺さるであろう1冊です。

かなりリアルな恋愛模様を描いているので、心をえぐられる人もいるかもしれませんが、それでも多くの人におススメしたい面白い作品でした。

『傲慢と善良』あらすじ

婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。

朝日新聞出版より

『傲慢と善良』感想

この作品、“恋愛ミステリ”と紹介されていることが多いですが「ミステリ」と呼んでいいのかと思えるほどリアリティが高いです。

私がどこでそのように感じたかを説明するために、まずは物語の内容をもう少し詳しく説明します。

 

主人公の架は昔からモテモテで恋愛には困らなかったタイプ、過去の恋愛をズルズルと引きずって結婚に踏み切れずにいました。

一方でもう1人の主人公である真実はいたって普通の女の子。いわゆる良い子ではあるのですが、恋愛経験に乏しいです。

『傲慢と善良』というタイトルを見るに、「傲慢」な架と「善良」な真実という組み合わせに見えます。

しかし、姿を消した真実を探していくうちに少しずつ我々読者は違和感を感じ始めるのです。

「おや、もしかしたら傲慢なのは真実の方なのでは…?」

真実のことを全然知らないんだと知った架はさらに真実の過去へと足を踏み入れていくのです……。

 

私がどこにリアリティを感じたかというと、この善良さに見せかけた傲慢さの描き方が本当に現実さながらに感じました。

善良さに見せかけた傲慢さとは言いましたが、本人には傲慢であるという自覚が一切ないんですよね。

さらに内容に踏み込んでしまいますが、特にわかりやすくそれを感じたのが真実の母親。

「あなたのためを思って言っているのよ」とは言うものの、真実を自分の見える範囲に縛り付けようと無自覚にしているのです。

これに限らず、架も真実もそれ以外の関係者もいろんなところで善良さに見せかけた傲慢さが垣間見えます。

悪意がないからこそ厄介なのですが、自分でもついついやってしまいそうです……。

 

この作品、刺さる人にはかなり刺さると思いますし、心をえぐられる人もいると思います。

特に結婚や婚活を考えている人や経験してきた人には刺さる部分が必ずあるはずです。

自分もこの作品を読んで「今の奥さんを選んでいなかったらどうなってたかわからないな」なんて思いましたが、そもそもそう考えること自体傲慢なのかもしれません……。

終わりに

ということで、本日は辻村深月さんの『傲慢と善良』を紹介しました。

恋愛・婚活のリアリティを描いた、非常に面白い作品でした。

読む人によっては心をえぐられるかもしれませんね……。

 

本日はここまで。
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