『medium』&『invert』書評・感想。霊媒探偵なんてアリ?これを読めばアリだと言わざるを得ない!

ゴマの読書記録

すべてが、伏線。

どうも、ゴマ(@gomago_gomago)です。

今回は相沢沙呼さんの『medium 霊媒探偵城塚翡翠』&『invert 城塚翡翠倒叙集』の紹介をしていきます。(以下、『medium』、『invert』と省略させていただきます。)

『medium』は帯に書かれている「すべてが、伏線。」というワードが気になって気になって仕方がなかったのですが、読むタイミングを逃してしまったので文庫化するのをずっと待ってた作品の1つでした。

ところが文庫化する前にKindle Unlimitedの対象になっているではありませんか。
これは読まない手はないと思い、早速利用を開始すると、面白かったので続編の『invert』まで一気に読み切ってしまいました。(ちなみに、現在はKindle Unlimitedの対象からは外れています。また、文庫版が9/15に発売予定です。)

 
とても面白い作品だったので、『medium』、『invert』ともども紹介していきたいと思います。

では早速詳しく見ていきましょう!

『medium』&『invert』のあらすじ

『medium』のあらすじ

推理作家として難事件を解決してきた香月史郎は、心に傷を負った女性、城塚翡翠と出逢う。彼女は霊媒として死者の言葉を伝えることができる。しかしそこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かう。一方、巷では連続殺人鬼が人々を脅かしていた。証拠を残さない殺人鬼を追い詰められるのは、翡翠の力のみ。だが殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた――。

講談社BOOK倶楽部より

『invert』のあらすじ

あなたは探偵の推理を推理することができますか?

綿密な犯罪計画により実行された殺人事件。アリバイは鉄壁、計画は完璧、事件は事故として処理される……はずだった。
だが、犯人たちのもとに、死者の声を聴く美女、城塚翡翠が現れる。大丈夫。霊能力なんかで自分が捕まるはずなんてない。ところが……。
ITエンジニア、小学校教師、そして人を殺すことを厭わない犯罪界のナポレオン。すべてを見通す翡翠の目から、彼らは逃れることができるのか?

講談社BOOK俱楽部より

『medium』&『invert』の特徴

この2作品には他の推理小説とは違った大きな特徴が1つあります。

それは探偵である城塚翡翠が霊媒探偵、すなわち霊能力が使える探偵であるということ。
 

そんなのズルいゴマ!霊能力で犯人がすぐにわかっちゃうゴマ!

と思われる方も多いかもしれませんが、話はそんなに単純ではありません。

霊能力で得た証言に証拠能力はありませんし、その人が亡くなった場所でないと降霊できないなどの条件もあります。

そしてこの霊能力にはもう1つ大きな特徴があるのですが………、それは本編でのお楽しみということで。


また『medium』と『invert』では話の書き方が異なります。

『medium』は翡翠の力で得た情報から理論を組み立てていく様子が描かれる一方、『invert』では犯人の視点から翡翠の力で犯人が徐々に追いつめられる様子が描かれます。

視点が違うのでそれぞれの異なる面白さがありますね。


そして何より、主役の城塚翡翠のキャラが可愛い

個人的にはミステリにおいて探偵が魅力的なキャラクターをしているというのはとても大きいです。

以前にも紹介した市川憂人さんの<マリア&漣>シリーズも私の好きなシリーズの1つですが、こちらも主人公2人のキャラクターが魅力の1つです。

<マリア&漣>シリーズについては別の記事で詳しく書いています。


話がそれてしまいましたが、城塚翡翠という魅力的な探偵がいるのも本書の大きな特徴です。

城塚翡翠はこの表紙のような翠の眼をした美少女です。

しかもただの美少女ではなく、お茶目なドジっ子でもあります。

現実にいたら正直引いてしまうんじゃないかなというぐらい「あざとい」のですが、文字で描かれているせいか可愛く見えてしまいますね。

『medium』&『invert』はここが面白い!

2作品の面白さを私なりに端的に表すと以下の通りです。

『medium』の圧巻の伏線回収!
『invert』の古畑任三郎を思わせるような面白さ!

『medium』の圧巻の伏線回収!

『medium』の魅力は何といっても圧巻の伏線回収です。

「すべてが、伏線。」というのだから私はてっきり1つの話になっているのだと思っていましたが、目次を開くと短編集になっています。

「本当に全て伏線なのか…?」と疑ってしまいましたが、最後の最後で全て回収されました。その回収の様は圧巻です。

途中までは「ただ城塚翡翠が可愛いだけの話かな…?」と思っていたのでしたが、数々の賞を受賞している作品がそんなわけありませんでした。

『invert』の古畑任三郎を思わせるような面白さ!

一方の『invert』は犯人の視点から描かれた倒叙ミステリとなっています。

倒叙ミステリ………?

となる方もいるかもしれませんので、簡単に倒叙ミステリについて説明します。

倒叙ミステリとは、犯人があらかじめ明かされており、探偵がどのようにして犯人を追いつめるのかが物語の趣旨になる形式のミステリです。

有名どころだと、すでに書いていますが『古畑任三郎』ですね。

古畑任三郎も何食わぬ顔をしてじわじわと犯人を追いつめていくイメージがありますが、『invert』も城塚翡翠があざとい顔をしてじわじわと犯人を追いつめていきます。

古畑任三郎を彷彿とさせるような展開になっているので、古畑任三郎が好きな人にはハマるのではないでしょうか。

 
『invert』は短編集になっているので、『medium』のような壮大な伏線回収はありません。

『medium』を読んで『medium』のような作品を期待して『invert』を読むと物足りなくなる感じるかもしれません。

私としてはどちらの作品もそれぞれの魅力があって非常に面白かったです。

『medium』と『invert』、どちらがおススメ?

「『medium』と『invert』、どちらがおススメか?」と問われると「どちらもおススメ」という答えになるのですが、必ず守ってほしいことが1点あります。

それは、必ず『medium』を先に読むこと

シリーズものだとどこから読んでも面白いとなっている作品も多いですが、このシリーズに関しては必ず『medium』から読みましょう。

なぜなら『invert』の方にバッチリ『medium』のネタバレが乗っているから

 
ちなみに、どちらもおススメではありますがあえて優劣をつけるとするのなら個人的には『medium』の方が好きでした。

ということで、本日は 相沢沙呼さんの『medium 霊媒探偵城塚翡翠』&『invert 城塚翡翠倒叙集』 の紹介をしていきました。

本日はここまで。

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