「ええ、そうです。東京都内でこの一年起きているバラバラ殺人事件。ニュースで聞いたことがあるでしょ。ワイドショーで、『真夜中の解体魔』とかいうふざけた二つ名で呼ばれているその犯人こそ、あなたが助けた石田涼介なんですよ」
どうも、ゴマ(@gomago_gomago)です。
今回は知念実希人さんの『真夜中のマリオネット』を紹介していきます。
『硝子の塔の殺人』以来、久々に知念実希人さんの作品を読みましたが、この作品もまた面白かったです。
『真夜中のマリオネット』あらすじ
殺した後、一晩かけて遺体をバラバラにする殺人鬼――通称「真夜中の解体魔」。
集英社より
婚約者を殺された救急医の秋穂は、
深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をしたところだった。
そこに運ばれてきたのは、交通事故で重傷を負った美少年・涼介。
無事、命を救うことができたが、手術室を出た秋穂に刑事が告げる。
「彼は、『真夜中の解体魔』だ」と――。
涼介に復讐しようとする秋穂に、涼介は涙を流しながら訴える。
「僕は罠にかけられただけなんです」と――。
無実に思える証拠を見せられた秋穂は、ためらいながらも涼介と真犯人を探すことになるが……
涼介は真犯人に操られた哀れな人形なのか、
それとも周囲を操る冷酷な人形遣いなのか。
『真夜中のマリオネット』感想
「衝撃のクライマックスに、きっとあなたは絶叫する。」という文言の通り、本当に衝撃的な結末でした。
ネタバレに配慮すると何も言えなくなってしまうのですが、「あぁ、こういう終わり方をするのか…。」と感じました。
話の中心は一貫して「涼介が殺人鬼なのかどうか?」という点に尽きます。
新たな事実が出てくるたびに、涼介が怪しくも見えてきますし、無実にも見えてきます。
だんだんと秋穂は涼介を無実だと信じるようになりその証拠を見つけ出そうとするのですが、最後の最後にとんでもない展開が待っていました。
このように書くと「涼介が殺人鬼だったのでは?」とネタバレをしているようにも見えてしまいますが、結末がどうなったのか是非読んで確かめてみてください。
非常に面白い作品ではありましたが、あえてケチをつけるとするならば推理がちょっと雑に感じたことでしょうか。
疑いを持つのはわかるのですが、断定する根拠が弱いように感じました。
探偵役が警察などではなく医師であるので、多少論理が弱くてもいいのかもしれませんが…。
話の展開はとても分かりやすく、読みやすい作品なのであっという間に読むことが出来ました。
最後の一文字まで全く目が離せず、読み応えのある作品です。
いろんなミステリ作品を読んできた人には是非一度手に取ってみてほしいですね。
ということで、本日は知念実希人さんの『真夜中のマリオネット』を紹介しました。
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