【書評・感想】『invertⅡ 覗き窓の死角』「城塚翡翠」シリーズ第3弾をネタバレなしで解説!

ゴマの読書記録

『犯人は自明。ただし、わたしはこう問いかけましょう。あなたは、探偵の推理を推理することができますか、と―――」

どうも、ゴマ(@gomago50gomago)です。

今回は相沢沙呼さんの『invertⅡ 覗き窓の死角』を紹介します。

「城塚翡翠」シリーズの第3弾。今回もまた面白い作品でした。

『invertⅡ 覗き窓の死角』あらすじ

5冠獲得ミステリ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部突破『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く、シリーズ3作目!

反転、再び。

あなたは探偵の推理を推理することができますか?

嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とはーー。ミステリランキング5冠『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く待望の第3作目。犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!

講談社BOOK倶楽部より

『invertⅡ 覗き窓の死角』感想

『invertⅡ 覗き窓の死角』は前作『invert 城塚翡翠倒叙集』に引き続き、倒叙ミステリとなっています。

倒叙ミステリ…?

まずは倒叙ミステリについておさらいしておきましょう。

倒叙ミステリとは、犯人があらかじめ明かされており、探偵がどのようにして犯人を追いつめるのかが物語の趣旨になる形式のミステリです。

前作の『invert 城塚翡翠倒叙集』と同様に城塚翡翠があざとい姿を見せながら、じわじわと犯人を追いつめていきます。

ただ今作は前作と大きな違いがあります。それが、城塚翡翠が友人と対峙すること

友人というと正確ではないかもしれませんが、詳しいことは本作を手に取って読んでみてください。

 

さて本作の方に話を戻しますと、『invertⅡ 覗き窓の死角』では『生者の言伝』『覗き窓の死角』の2つの物語が収録されています。

 

『生者の言伝』は嵐の山荘に潜む15歳の少年・夏木蒼汰の視点から描かれます。

自らの罪の証拠を消そうと必死になっているところに、嵐のせいで立ち往生となった翡翠と真が現れます。

翡翠からの質問を咄嗟の嘘で切り抜けていく蒼汰ですが、徐々に追いつめられていき…。

果たして翡翠が語る真実はどのようなものなのでしょうか…。

 

『覗き窓の死角』は女性カメラマン・江刺詢子の視点から描かれます。

喫茶店で意気投合した城塚翡翠に個人撮影のモデルを依頼するのですが、その理由は自らのアリバイ工作のため。

友人を疑いたくないという気持ちと、友人が何か隠しているのではないかと疑う気持ちに翡翠は揺れ動きます。

果たして翡翠は自分の気持ちを押し殺し、友人の犯罪を暴くことが出来るのでしょうか…。

 

本作の私が感じた大きな特徴は、登場人物のキャラクターにスポットが当てられていることでしょうか。

城塚翡翠の同性の友達が少ないという性質にもスポットが当たっていますし、何よりも今作はワトソン役である千和崎真の活躍が大きいです。

過去2作ではあくまで翡翠の付き人という感じであまり目立ってこなかった真ですが、今作は真にもスポットが当たります。

本作を読むと、真がいてこその翡翠なのだなあということを実感させられます。

 

過去2作に比べるとビックリするようなどんでん返しではないので、どんでん返し好きの私としては過去作の方が満足感が高かったです。

登場人物のキャラクターを掘り下げた話なので、翡翠や真が好きな人には特に楽しめると思います。

 

また、本作は次回以降につながるであろう伏線が多いです。

次作以降の展開が気になりますね。

 

ちなみに、『medium 霊媒探偵城塚翡翠』のネタバレを含むので、未読の方はそちらから読むことをおススメします。

 

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、『invert 城塚翡翠倒叙集』の書評記事も書いていますので、良ければあわせてどうぞ。

終わりに

ということで、本日は相沢沙呼さんの『invertⅡ 覗き窓の死角』を紹介しました。

翡翠があざといのは相変わらずなのですが、真の活躍が描かれていたのがとても良かったです。

 

本日はここまで。
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