どうも、ゴマ(@gomago_gomago)です。
6月に入ったので、本日は毎月恒例5月に読んだ本の振り返りと簡単な紹介をしていきます。
『マリオネットの罠』赤川次郎
“私の事を、父は「ガラスの人形」だと呼んでいた。脆い、脆い、透き通ったガラスの人形だと。その通りかもしれない”……森の館に幽閉された美少女と、大都会の空白に起こる連続殺人事件の関係は? 錯綜する人間の欲望と、息もつかせぬストーリー展開で、日本ミステリ史上に燦然と輝く赤川次郎の処女長篇。
文藝春秋BOOKSより
1冊目は赤川次郎さんの『マリオネットの罠』。
「どんでん返しがすごい」と評判の1冊です。
「どんでん返しがすごい」ということで、騙されないように気を付けながら読んでいたのですが、今回もまた上をいかれてしまいました。
結末まで読んでしまえば気付けてもおかしくなかったな…、とは思ったのですが、読んでいる最中は全く疑っていませんでした。
まあ、騙された方が満足感は高いから良いんですけどね!
個別の書評記事もあげていますので、良ければコチラもどうぞ。
『法廷遊戯』五十嵐律人
法律家を志した三人の若者。 一人は弁護士になり、一人は被告人になり、一人は命を失った──謎だけを残して。
法曹の道を目指してロースクールに通う、 久我清義(くがきよよし)と織本美鈴(おりもとみれい)。二人の“過去”を告発する差出人不明の手紙をきっかけに、 彼らの周辺で不可解な事件が続く。清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨(ゆうきかおる)。真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して──?
講談社より
2冊目は五十嵐律人さんの『法廷遊戯』。
第62回メフィスト賞を受賞した、五十嵐律人さんのデビュー作です。
法律の専門家が書いているだけあって、裁判までの流れが具体的につづられています。
難しい専門用語もちょこちょこ出てきますが、気になるほどではありません。
むしろ、気になるのは事件の真相。
同じロースクールに通った3人が、一体どのような経緯で弁護人・被害者・加害者と分かれることになってしまったのか。
結末を知った時には、何とも言えない後味の悪さがありました。
個別の書評記事もあげていますので、良ければコチラもどうぞ。
『その可能性はすでに考えた』井上真偽
山村で起きたカルト宗教団体の斬首集団自殺。
講談社BOOK倶楽部より
唯一生き残った少女には、首を斬られた少年が自分を抱えて運ぶ不可解な記憶があった。
首無し聖人伝説の如き事件の真相とは?
探偵・上苙丞(うえおろじょう)はその謎が奇蹟であることを証明しようとする。
論理(ロジック)の面白さと奇蹟の存在を信じる斬新な探偵にミステリ界激賞の話題作。
3冊目は井上真偽さんの『その可能性はすでに考えた』。
2016年度第16回本格ミステリ大賞候補に選ばれている作品です。
この作品の大きな特徴は、事件の真相を見抜くことではなく事件の真相になりうるあらゆる可能性を否定すること。
作中に出てくる探偵・上苙丞(うえおろじょう)は奇蹟の存在を信じ、奇蹟を証明するために奔走します。
通常のミステリと異なり、可能性があれば良いので「そんなまさか」と思えるようなとんでもないトリックも出てきます。
しかし探偵は、その現実離れしたトリックの可能性すら考慮済みだというのです。
果たしてこの事件は本当に奇蹟だったのでしょうか…。
『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』井上真偽
聖女伝説が伝わる里で行われた婚礼の場で、同じ盃を回し飲みした出席者のうち、毒死した者と何事もなく助かった者が交互に出る「飛び石殺人」が発生。
講談社BOOK倶楽部より
不可解な毒殺は祟り神として祀られた聖女による奇蹟なのか?
探偵・上苙丞(うえおろじょう)は人の手による犯行可能性を数多の推理と論理で否定し、「奇蹟の実在」証明に挑む。
4冊目は同じく井上真偽さんの『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』。
3冊目に紹介した『その可能性はすでに考えた』の続編です。
前作は過去の事件を生き残った少女の証言をもとに真相を探りましたが、今作は実際に起きた事件の真相を探ります。
前作同様、「この事件は奇蹟である」と主張する探偵に対し様々な可能性があげられます。
果たしてこの事件は本当に奇蹟だったのでしょうか…。
どちらの作品も真相は読んでからのお楽しみ、ということで。
『小説の読み方』平野啓一郎
P・オースター『幽霊たち』、綿矢りさ『蹴りたい背中』、伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』、美嘉『恋空』……現代の純文学、ミステリーさらにはケータイ小説も含めた計11作品を題材に、小説をより深く楽しく味わうコツをわかりやすく解説する。それぞれの読解で提示される着眼点は、読者がブログで感想を書いたり、意見を交換するうえで役に立つものばかり。作家をめざしてる人はもちろん、一般の読書ファンにとっても示唆に富んだ新しい読書論。
文庫化にあたり、『罪と罰』、『本心』の作品解説を追加しました!
平野啓一郎公式サイトより
5冊目は平野啓一郎さんの『小説の読み方』。
珍しくミステリでもそれ以外の小説でもない1冊です。
小説を読むうえでいろんな視点を取り入れたく読了しました。
小説は「小さく説く」と書くとおり、名作と呼ばれるような小説は登場人物の短いセリフや行動で瞬時に読者が情景や心情を想像できるようになっているというのは新たな発見でした。
「読み方」とタイトルには入っていますが、「小説の書き方」の指南書とも言えそうです。
『密室殺人ゲーム王手飛車取り』歌野晶午
〈頭狂人〉〈044APD〉〈aXe〉〈ザンギャ君〉〈伴道全教授〉。
講談社BOOK俱楽部より
奇妙なニックネームの5人が、ネット上で殺人推理ゲームの出題をしあう。
ただし、ここで語られる殺人はすべて、出題者の手で実行ずみの現実に起きた殺人なのである……。
リアル殺人ゲームの行き着く先は!?
歌野本格の粋を心して堪能せよ!
6冊目は歌野晶午さんの『密室殺人ゲーム王手飛車取り』。
『葉桜の季節に君を想うということ』の作者である歌野晶午さんの作品です。
『葉桜~』はロマンス要素が強い作品ですが、こちらの作品は打って変わって極悪非道。
「面白いトリックを考えたから殺す」という、常識では考えられない理由で様々な事件を起こします。
現実世界で真似するような人が出ないよう配慮されているのか、とんでもないトリックが使われていることが多いです。
どんな結末を迎えるのかと思ったら、最後は予想外の展開が連発。
「そんなところで終わるの…?!」というのが素直な感想です。
終わりに
ということで、本日は5月に読んだ本の振り返りとその紹介をしていきました。
ゴールデンウィークもあったので、先月よりはたくさんの本を読むことが出来ました。
一方で、年間100冊の目標には暗雲が立ち込めています。
5月までで29冊。このペースでは到底間に合いません。
ただ『小説の読み方』ではスローリーディングのすすめがなされていたように、速く読めばいいというものでもありません。
自分が楽しみながら読めるのが今ぐらいのペースなので、無理してこれ以上読まなくてもいいのかなとも思っています。
もしかしたら今後はもっと速く楽しく読めるようになるかもしれませんので、その時に年間100冊を目指して頑張ろうと思います。
本日はここまで。
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