僕らは生贄を選ばなくてはならない。そうしなければ、全員が死ぬことになる。
どうやって選ぶのか?九人のうち、死んでもいいのは、―――死ぬべきなのは誰か?
それは、彼を殺した人物以外にない。
犯人以外の全員が、そう考えているに違いなかった。
タイムリミットまでおよそ一週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。
どうも、ゴマ(@gomago50gomago)です。
今回は夕木春央さんの『方舟』を紹介します。
Twitter上でいわゆる読書垢の人たちが盛り上がり、話題になっていたこの1冊。
私も「これは読まざるを得ない」と手を出してみましたが、この作品は本当に衝撃的でした…。話題になるのも頷けます。
『方舟』あらすじ
9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。
講談社BOOK倶楽部より
『方舟』感想
『方舟』はTwitterでもとても話題になっている1冊で、一時期はTwitterを開けば『方舟』の感想が必ず流れてくると言っても過言ではありませんでした。
しかも、どのTweetも絶賛の嵐。それはもう読むしかないでしょう。
若干流れに乗り遅れた感じはありましたが、勢いに任せて購入し勢いに任せて読了。
控えめに言って、この小説はヤバいです。
何を話してもネタバレになってしまいそうなので、あまり多くのことは語れないのですが、もうとにかくヤバい。
まずそもそもの設定がヤバい。
閉じ込められた地下空間。誰かが犠牲にならないと脱出できないという過酷な状況。
そんな最中に殺人事件が発生。
犯人以外の人間はこう思います。「殺人犯が犠牲者になればいい。」と。
これぞ民主主義の暴力。
私も割とスッと受け入れてしまった方ですが、なかなかの暴論ではないでしょうか。
とはいえ犯人としても、バレてしまえば自分が孤立してしまうのは分かっていたはず。
そのリスクを背負ってまで殺人を犯さねばいかなかった理由は一体何なのでしょうか…。
そして何よりもヤバいのが、ラストシーンの衝撃。
恐らくこういう結末を迎えるとは誰もが思わなかったでしょうし、だからこそここまで話題になったのだと思います。
特にラストシーンでの、あのセリフ。(もちろんネタバレ防止のために明言はしません。)
もうあのセリフを読んだ瞬間、ゾワゾワーっと鳥肌が立ちました。
個人的にはあのセリフが無かったら、ここまでの衝撃は受けてなかったかもしれません。
今年読んだ本の中で、1番衝撃を受けたと言っても過言ではないかもしれません。
興味がある方は是非読みましょう!興味があるのに読まないのは絶対にもったいないです。
終わりに
ということで、今回は夕木春央さんの『方舟』を紹介しました。
Twitterで大きく話題になっていたことも頷ける、大満足の1冊でした。
本日はここまで。
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