つらい境遇の中、まっすぐに生きられる人間は素晴らしい。間違いない。が、それはその人が素晴らしいだけであって、素晴らしくなれない人間が怠けているわけでもない。
どうも、ゴマ(@gomago_gomago)です。
今回は伊坂幸太郎さんの最新作『ペッパーズ・ゴースト』の紹介をしていきます。
2021/10/1に発売されたこちらの作品ですが、伊坂幸太郎さんの作品の良さを詰め込んだような作品で非常に面白かったです。
『ペッパーズ・ゴースト』あらすじ
少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。
伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!
朝日新聞出版より
『ペッパーズ・ゴースト』感想
「作家生活20年超の集大成」と銘打っているだけあって、伊坂幸太郎作品の面白いところの詰め合わせと言えるような作品でした。
ただ個人的にはあっさり終わってしまった感じが否めません。
集大成という言葉に期待値が上がりすぎていたのだと思います。
とはいえ、先述した通り伊坂幸太郎作品の面白いところの詰め合わせなので最後まで楽しく読めました。
伊坂幸太郎さんの作品らしく、『ペッパーズ・ゴースト』も心地よいテンポで進みます。
どこかずれたような会話のやり取りもあり、とても読みやすくスラスラ読めてしまいました。
いろんなところに伏線が張り巡らせてあるので、あまりにも速く読んでしまうと読み飛ばしてしまうんじゃないかというレベルでテンポよく読めます。
あとは、以前に書評記事を書いた『ホワイトラビット』でも感じましたが、事件が起こっているにもかかわらず一切暗い雰囲気にならないのも読みやすいポイントではないかと思います。
また、伊坂幸太郎作品の面白いところの詰め合わせと言いたい1番の理由は、登場人物の魅力的なキャラクター性でしょうか。
『ペッパーズ・ゴースト』は主に現実の話と小説の中の話が交互に繰り返されます。
どちらの世界線でも魅力的なキャラクターが活躍しています。
現実世界では他人の未来がちょっとだけ見える能力を持った国語教師の檀先生、
小説の中ではネコジゴハンターを自称し、過去に猫への虐待を扇動してきた人たちを懲らしめようとする2人組ロシアンブルとアメショーが登場します。
そして、この魅力あるキャラクターたちがどのように絡み合ってくるのか。それもこの作品の見所の1つではないでしょうか。
本日はここまで。
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