頭部を強められた人間、腹部を強められた人間、という風に皆まちまちに強められた箇所を身体の一箇所ずつに持ちながら、この世に多くの人間が散らばって生きている。これらの者達のうちから、頭部を強められた者の頭部、胸部を強められた者の胸部、腹部を強められた者の腹部、という風に、それぞれ異なった場所を強められた人間六人を集め、各々から強められた部分のみを採り出して、一つの肉体に合成出来たとしたらどんなであろう?!
どうも、ゴマ(@gomago_gomago)です。
今回は島田荘司さんの『占星術殺人事件』を紹介します。
「本格ミステリと言えば?」と問われるとこの作品を挙げる人も多いのではないでしょうか。
そんな珠玉の本格ミステリをネタバレなしで紹介していきます。
『占星術殺人事件』あらすじ
密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版!
講談社BOOK俱楽部より
『占星術殺人事件』感想
『占星術殺人事件』はかの名探偵・御手洗潔の初登場作であり、島田荘司さんのデビュー作でもあります。
私にとっては初めての御手洗潔との邂逅です。
私個人の考えとして、「名探偵は奇人である」というものがあるのですが、御手洗潔も例に漏れず奇人でした。
『占星術殺人事件』は御手洗の友人・石岡の視点で描かれるのですが、石岡からは「狂人」や「常識というものがまるっきりない男」などひどい罵倒のされようです。
さらには寝食を忘れて推理に没頭する様子もあり、その奇人っぷりが伺えます。
個人的には「シャーロックホームズのようだな」と思いました。
御手洗は作中でホームズに否定的だったので、こんなことを言ったら怒られちゃいますね。
肝心の事件についてですが、40年以上前に起きた猟奇事件の新たな手がかりが御手洗の元にたまたまやってきたところから始まります。
死体の一部を切り取られた6つの死体。切り取った体の一部を組み合わせて、完璧な女を作り上げるという事件のおぞましさが垣間見えます。
最初からド派手な展開が繰り広げられるのですが…、そのトリックはさらに衝撃的なモノでした。
惜しむらくは私はこの作品を読む前にトリックを知ってしまったこと。
気持ちの良い話ではないので多くは語りませんが、某推理漫画をちゃんと読んでいたことが仇となってしまいました。
トリックを知らないまま読んでいたら、どれだけゾクゾクできたでしょう!
事件のおぞましさ・トリックの意外さ・探偵御手洗のキャラクター、どれをとっても素晴らしい作品だと思います。
終わりに
ということで、本日は島田荘司さんの『占星術殺人事件』を紹介しました。
かなり古い作品ではありますが、今なお読み継がれる理由がよくわかる1冊です。
またこちらの作品は、島田荘司さんのデビュー作だとか。
デビュー作でこれだけの作品が書けるのだから、やはり一線級で活躍する人の才能は違うのでしょう。
本日はここまで。
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