「開けろとは言わねえ。手短に言うから黙って聞け。いいか―――――
お前が嵌められたのは偶然じゃない。」
どうも、ゴマ(@gomago_gomago)です。
今回は市川憂人さんの『断罪のネバーモア』を紹介します。
市川憂人さんと言えば、私のお気に入りである「マリア&漣」シリーズの作者です。
これはきっと面白い作品だろうと期待して読みましたが、期待に違わぬ面白さでした。
『断罪のネバーモア』あらすじ
警察小説と本格ミステリが奇跡の融合。新米刑事が綻びから世界の欺瞞を暴く
度重なる不祥事から警察の大改革が行われた日本。
KADOKAWAより
変革後の警察にブラックIT企業から転職した新米刑事の藪内唯歩は茨城県つくば警察署の刑事課で警部補の仲城流次をパートナーとし殺人事件の捜査にあたる。
刑事課の同僚たちの隠しごとが唯歩の心を曇らせ、7年前の事件が現在の捜査に影を落とす。
ノルマに追われながらも、持ち前の粘り強さで事件を解決した先に、唯歩を待ち受ける運命は――。
リアル警察小説と本格ミステリの2重螺旋! 白黒が全反転する奇跡の終盤に瞠目せよ!!
『断罪のネバーモア』感想
期待して読んだ作品でしたが、期待に違わぬ面白さでした。
私が面白かったと思ったポイントは以下の2つ。
- 登場人物のキャラクター性
- 全てが1つにつながった時の爽快感
1つ目の「登場人物のキャラクター性」について。
物語の中心となるのは2人の刑事。藪内唯歩と仲城流次。
自信なさげな主人公唯歩と高圧的で不遜な先輩刑事である流次。
どこか凸凹なコンビですが、互いに違った方向で危なっかしさがあるのがこのコンビの良いところなのかなと思います。
2人以外の登場人物も、鑑識の大森麗をはじめとして個性豊かなキャラクターが多いです。
『ジェリーフィッシュは凍らない』をはじめとする「マリア&漣」シリーズの2人とはタイプが大きく異なります。
マリアと漣のまるで漫才のような掛け合いが無いのが少し物足りなく感じてしまいますが、登場人物が個性豊かで面白いです。
こうしたキャラクターの濃さが市川憂人さんの作品の特徴ですね。
2つ目は「全てが1つにつながった時の爽快感」。
『断罪のネバーモア』は4話構成になっており、1話につき1つの事件が起こります。
一見すると短編集のようにも見えるのですが、どこか腑に落ちない点が残ったまま話が終わってしまうんですね。
しかし、4つ目の話を読むことで全てが解決します。
全てが1つになった瞬間、とてもスッキリしました。
事件の全貌も含めてとても面白かったのですが、1つだけケチをつけるとしたら犯人の動機でしょうか。
個人的には「そんな理由でそこまでやるか?」と思ってしまいましたね…。
総合的に見てとても満足度の高い1冊でした。
個性豊かなキャラクターがとても良いので、続編があると期待したいです。
本日はここまで。
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