どうも、ゴマ(@gomago_gomago)です。
3月に入ったので、本日は毎月恒例2月に読んだ本の振り返りと簡単な紹介をしていきます。
『真夜中のマリオネット』知念実希人
殺した後、一晩かけて遺体をバラバラにする殺人鬼――通称「真夜中の解体魔」。
集英社より
婚約者を殺された救急医の秋穂は、
深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をしたところだった。
そこに運ばれてきたのは、交通事故で重傷を負った美少年・涼介。
無事、命を救うことができたが、手術室を出た秋穂に刑事が告げる。
「彼は、『真夜中の解体魔』だ」と――。
涼介に復讐しようとする秋穂に、涼介は涙を流しながら訴える。
「僕は罠にかけられただけなんです」と――。
無実に思える証拠を見せられた秋穂は、ためらいながらも涼介と真犯人を探すことになるが……
涼介は真犯人に操られた哀れな人形なのか、
それとも周囲を操る冷酷な人形遣いなのか。
1冊目は知念実希人さんの『真夜中のマリオネット』。
婚約者を「真夜中の解体魔」に殺された秋穂の元に運ばれてきたのは、「真夜中の解体魔」として疑われている美少年・涼介でした。
復讐を試みる秋穂でしたが、涼介の「僕は罠にかけられた」という訴えから、真実を探ろうとします。
涼介は殺人犯か、それとも真犯人が別にいるのか、疑わしくも無実にも思える涼介の正体が本作の注目ポイントです。
帯の「衝撃のクライマックスに、きっとあなたは絶叫する。」という文言の通り、衝撃的なクライマックスでした。
個別の書評記事も書いていますので、こちらも合わせてどうぞ。
『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬
独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために……。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵”とは?
ハヤカワ・オンラインより
2冊目は逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』。
史上初の選考委員全員が満点をつけたことで話題となった、第11回アガサクリスティー賞大賞受賞作です。
アガサクリスティー賞ということで、ミステリなのかな?と思っていたのですが、中身はガッツリ戦争がテーマでした。
独ソ戦争を舞台に、1人の村娘が狙撃手として生きていく過程が描かれます。
戦争がテーマなので、「生きるか死ぬか」ということが大きなテーマになっています。
主人公・セラフィマもその仲間たちも、死線を潜り抜けながら成長していきます。
いつ何が起こるかわからないという緊張感があり、ハラハラドキドキの展開です。
これがデビュー作というから驚きですね。
こちらも個別の書評記事も書いていますので、合わせてどうぞ。
『カラスの親指』道尾秀介
人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。道尾秀介の真骨頂がここに! 最初の直木賞ノミネート作品、第62回日本推理作家協会賞受賞作品。
講談社BOOK倶楽部より
3冊目は道尾秀介さんの『カラスの親指』。
第62回日本推理作家協会賞受賞作です。
こちらの作品は大学時代に一度読んだことがあったのですが、KindleUnlimitedで利用できたので再読しました。
なお、この記事を書いている2022年3月時点ではKindleUnlimitedの対象外になっています。
道尾秀介さんの作品はどれも暗い雰囲気が漂っているものが多いのですが、『カラスの親指』は例外です。
登場人物たちはそれぞれ暗い過去を持ってはいるものの、全く話は暗い方向には進んでいきません。
むしろ、道尾作品の中ではかなりポップと言ってもいいのではないでしょうか。
最後にはどんでん返しも待っており、道尾作品の良さを知るにはこれ以上ない1冊だと思います。
道尾作品を読んだことない人には、記念すべき1冊目に選んでほしい作品ですね。
また『カラスの親指』は続編である『カエルの小指』も刊行されており、2022年2月に文庫版が発売されています。
私もこの記事を書きながら読んでいます。
『断罪のネバーモア』市川憂人
警察小説と本格ミステリが奇跡の融合。新米刑事が綻びから世界の欺瞞を暴く
度重なる不祥事から警察の大改革が行われた日本。
KADOKAWAより
変革後の警察にブラックIT企業から転職した新米刑事の藪内唯歩は茨城県つくば警察署の刑事課で警部補の仲城流次をパートナーとし殺人事件の捜査にあたる。
刑事課の同僚たちの隠しごとが唯歩の心を曇らせ、7年前の事件が現在の捜査に影を落とす。
ノルマに追われながらも、持ち前の粘り強さで事件を解決した先に、唯歩を待ち受ける運命は――。
リアル警察小説と本格ミステリの2重螺旋! 白黒が全反転する奇跡の終盤に瞠目せよ!!
4冊目は市川憂人さんの『断罪のネバーモア』。
市川憂人さんの最新作です。
民営化した警察を舞台に、ブラック企業から転職しいつも自信なさげな藪内唯歩と高圧的で不遜な先輩・仲城流次のコンビが活躍します。
「マリア&漣」シリーズでもマリアと漣の2人は性格は正反対ながらも良いコンビという感じですが、唯歩と流次の2人のコンビもまた違った良さがあります。
物語は短編集か、と思いきや最後の最後に全ての事件が1本につながります。
全てがつながった瞬間、何とも言えない心地よさがあり、とても満足度の高い1冊でした。
個別の書評記事も書いていますので、こちらも合わせてどうぞ。
『透明カメレオン』道尾秀介
驚愕と感涙のラストが待つ、最強のエンタメ小説!
ラジオパーソナリティの恭太郎は、素敵な声と冴えない容姿の持ち主。バー「if」に集まる仲間たちの話を面白おかしくつくり変え、リスナーに届けていた。大雨の夜、びしょ濡れの美女がバーに迷い込み、彼らは「ある殺害計画」を手伝わされることに。意図不明の指示に振り回され、一緒の時間を過ごすうち、恭太郎は彼女に心惹かれていく。「僕はこの人が大好きなのだ」。秘められた想いが胸を打つ、感涙必至のエンタメ小説。
KADOKAWAより
5冊目は道尾秀介さんの『透明カメレオン』。
2月後半はKindleUnlimitedで利用できる書籍を読み漁っており、こちらはその中の1つです。
主人公・恭太郎を含め、詳しい内容を知らされぬまま殺害計画を手伝わされる話。
物語全体がちょっとぼかされてるなと感じる書き方だったので、最後に何か待っているんだろうなと思ったら予想以上の結末でした。
『罪の余白』芦沢央
学校で転落死した娘を、知ろうとする父が行き着いた驚愕の真実とは--
高校のベランダから転落した加奈の死を、父親の安藤は受け止められずにいた。娘はなぜ死んだのか。自分を責める日々を送る安藤の前に現れた、加奈のクラスメートの協力で、娘の悩みを知った安藤は。
KADOKAWAより
6冊目は芦沢央さんの『罪の余白』。
こちらもKindleUnlimitedで利用しました。
死んだ娘の死の真相を探る父親、というミステリにはありがちな構図。
いろんな人の視点で書かれており、どういう結末を迎えるのかハラハラしましたが、まさかの結末でした。
個人的には胸糞悪い展開が続くので、イヤミス好きでないと読むのはしんどいかもしれません。
『いつかの人質』芦沢央
盲目の少女はなぜ二度も誘拐されたのか。注目作家のサスペンス・ミステリー
宮下愛子は幼いころ、ショッピングモールで母親が目を離したわずかなすきに連れ去られる。それは偶発的に起きた事件だったが、両親の元に戻ってきた愛子は失明していた。12年後、彼女は再び何者かによって誘拐される。一体誰が? 何の目的で? 一方、人気漫画家の江間礼遠は突然失踪した妻、優奈の行方を必死に探していた。優奈は12年前に起きた事件の加害者の娘だった。長い歳月を経て再び起きた、「被害者」と「加害者」の事件。偶然か、それとも二度目の誘拐に優奈は関わっているのか。急展開する圧巻のラスト35P! 文庫化に当たり、単行本から改稿されたシーンも。大注目作家のサスペンス・ミステリー。
KADOKAWAより
7冊目は同じく芦沢央さんの『いつかの人質』。
こちらもKindleUnlimitedで利用しました。
12年前の誘拐事件の被害者が、また誘拐されるという「何かある」としか思えない状況からスタートします。
誘拐された中学生の女の子が必死で助かろうとする様子はとても痛々しく、可哀想にしか思えません。
事件の真相も「うーん…」という感じで、被害者がとても可哀想というのが1番の感想です。
中学生でこんな経験したらトラウマ物だろうな…。
終わりに
ということで、本日は2月に読んだ本の振り返りと紹介をしていきました。
1月よりも読む本は増えましたが、一方でブログの更新が出来ていなかったのが反省点です。
年間100冊の目標もかなり非現実的な数字になってきました。
月に8冊以上読まないと達成できないのですが、なかなか時間が取れないものです。
3月は仕事の方も忙しいので更新もしばらく滞る可能性もありますが、何とか継続していければと思います。
本日はここまで。
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